ジャンクション

悪性リンパ腫となった女の闘病記とか日常のなかで思ったことを綴る。

1コースその2(闘病日記)

自宅ではSpotifyという音楽アプリをいれていろんな音楽を聴いてます。最近は20代~30代の懐かしい歌特集的なものを聴いてます。小室氏プロデュースとか浜崎あゆみ氏とかMy Little Loverとかいつ聴いても色褪せないのはスゴいな。今の10代の子達の懐メロはボカロがメインになるのかな。今はユーチューブからのヒットが多いよね。車のなかで聴くときはレコチョクで購入した曲を聴いてます。
音楽はいつ聴いても色々な出会いがあるから好きです。

はてさて話が脱線した。

1コース目は3週間近く入院します。1回目の抗がん剤を終えてある程度落ち着いてきた頃に真打ち登場です。そう。腫瘍崩壊症候群のリスクのある抗がん剤です。
本来ならば入院した翌日からやるものなのですが初回は本当に慎重やらないとアナフィラキシーショックなどリスクがあるらしいのでちょっと間をおいたとのこと。
副作用に吐き気がないのが幸いでした。
なんか機械と連動している点滴でした。多分滴下の調整ができる機械なのかな。一定にしないといけな的な?
そして看護師さんによる15分おきのバイタル測定。一時間に四回です。看護師さん大変だな。
めっちゃゆっくり滴下。本来なら五時間くらいで終了するんですが私は途中で止めたりしたので11時間か12時間くらいかかりました。
途中で止めた原因がやっている途中で呼吸が苦しくなってきたんですよ。苦しいというか閉塞感というかいがいがというか。どれやねん。
ナースコールで呼んで報告したら中断してしばらく休んだ。また再開したときには何事もなく終わった。
明日の朝までなにもなかったら点滴が外れる。

「晴れて自由の身じゃー」

と喜んだ。何事もないことを祈った。

何事もあった。

翌朝、めちゃくちゃ寒気がした。なんか部屋が寒いな。布団をかけた。寒気が止まらず。
朝御飯は普通に食べれた。
食べれたけどなにか様子がおかしい。9時の検温で熱を測ったら微熱だった。寒気がすることを訴えたら熱が出るかもと言われた。
しばらく布団にくるまる。寒くて寒くて仕方がない。私風邪引いても熱が出る体質ではないので熱が38度以上の意識が朦朧としたよね。
採血をし、一日三回の抗生剤の点滴が入る。
点滴の針はとれなかった。

ちくしょー。

解熱剤を飲んだらすぐに下がった。抗生剤は退院するギリギリまで続いた。
主治医の先生曰く初回で熱が出るのは珍しくないとのこと。二回目以降はでないから大丈夫だよと言われた。
とりあえず発熱以外の副作用はなく1コース目の抗がん剤治療は無事に終えた。あとは退院を待つだけ。


が、ひとつ問題が発生した。

退院する2日くらい前から湿疹が出てきた。最初は膝にちょっとだけ出ているだけだった。段々とそこらじゅう痒くなってきて全身にところどころ湿疹が出てきた。副作用か!?とあたふたしてたら肺炎予防で飲んでいた薬が合わなかったのかもしれないと言われた。次回から薬を変更すると言われ安心した。

その薬を飲む度苦しい思いをするなんてこのときの純は知る由もなかった。

話が前後して申し訳ない。初めての治療から二週間以上経ったときにね、はじまったのです。

脱毛が。

めちゃくちゃごっそり抜けてビビった。枕が髪の毛だらけ。お風呂入る度に髪の毛の後始末で時間がかかる。これは自宅に帰ったときも苦労した。コロコロが必須アイテムになった。そして家族に脱毛がはじまったから退院日にウィッグを買いにいきたいと言った。そうしたら両親が色々と回ってくれて資料を集めてくれた。

値段はピンからキリである。通販で買えば安い。でもメインで使うとなると不安だ。お店で買うと高い。きっと高いのはウィッグ代と定期のメンテナンス代も入っているのだろう。医療用ウィッグはなんと保険がきかない。なんでだよ。医療用って名目なら保険をきかせておくれよ。滅茶苦茶大事よ。
どうせならいいものを使いたいという方もいれば別につけられればいいから安いのでいいやという方もいたりするだろう。
ウィッグを買ってくれた父親には頭が上がりません。全て終わったとき沢山恩返しをします。あと定年退職したのに娘の方が先に病気になってしまい苦労かけてごめん。母もだ。弟も。色々苦労させてごめん。

好き勝手生きていたから罰でも当たったか。

なんてそんなこと考えたって仕方がない。

私は私で毎日やれることをやった。でもああすればよかったとかこうすればよかったとかそんな後悔の方が多い。人生ってそういうものだろうか。

人生は分岐点の繰り返しだ。
あのときあそこであれをしていたら人生は変わっていた、とかあのときあの人の手を取っていたら結婚していたのかとか、それは結果論でしかないけど。

後悔のない人生、なんてものはないと思う。

どんなにキラキラした人だって。
どんなに美しい人だって。
どんなに優しくて人望のある人だって。
いろんな人だって。

みんなどこかで自分の人生に悔いている部分があると思う。

わからないけれど。
そう考えると「みんな一緒なんだな」と安心する部分がある。
それはとても自分の嫌な部分だ。安心したいから人の汚い部分をみようとする。
みんな綺麗な部分だけじゃない。
きれいな部分しか見せないからきれいなんだよ。
何を言ってるんだ。私は。

療養してからネガティブなことばっか考えてしまう。

人間って贅沢なもので、働いているときは「働きたくないでござる」と駄々をこねるのにいざ働かないと「働きたい」ってなる。それはきっとお金が入ってこないからである。
傷病手当やら限度額証明書やら保険に助けられてはいるもののやはりお金がないと不安である。

治しておかねを稼いで課金したり酒飲んだり旅行にいきたい。